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動画圧縮の方法とCRFの仕組み|画質を保ちながらファイルサイズを小さくするコツ

動画のファイルサイズを小さくする方法を解説します。CRFによる品質指定、解像度の変更、音声の調整など、画質と容量のバランスの取り方を紹介します。

動画圧縮の基本

動画のファイルサイズは「映像コーデック」「ビットレート」「解像度」「フレームレート」「音声」の5つの要素で決まります。圧縮とは、これらの要素を調整して視覚的な品質をできるだけ保ちながらファイルサイズを小さくする作業です。

  • 映像コーデック:H.264(AVC)が最も広く使われている。H.265(HEVC)はより高圧縮だが互換性が低い
  • ビットレート:1秒あたりのデータ量。高いほど高画質・大容量
  • 解像度:映像の縦横ピクセル数(1080p、720p、480pなど)
  • フレームレート:1秒あたりのコマ数(30fps、60fpsなど)
  • 音声:AACが一般的。128kbps程度あれば十分な音質

CRF(Constant Rate Factor)とは

CRFはH.264/H.265で使われる品質指定方式です。数値が小さいほど高画質・大容量、数値が大きいほど低画質・小容量になります。ファイルサイズではなく「見た目の品質」を基準に圧縮するため、シーンの複雑さに応じてビットレートが自動調整されます。

CRF値画質用途の目安
CRF 18高画質(ほぼ無劣化)マスター保存、編集素材
CRF 23高画質(標準)一般的な動画共有、YouTube投稿
CRF 28標準画質ファイルサイズ重視、SNS共有
CRF 35低画質容量を最優先する場合
CRF 51最低画質実用には不向き

※ H.264の場合の目安です。CRF 23がffmpegのデフォルト値で、多くの場合に適したバランスです。

圧縮で容量を減らす3つの方法

1. CRF値を上げる(品質を下げる)

最もシンプルな方法です。CRFを23から28に変更するだけで、ファイルサイズは約30〜50%削減できます。CRF 28程度であれば、スマートフォンでの視聴では違いがほとんどわかりません。

2. 解像度を下げる

4KやフルHD(1080p)の動画を720pや480pに変更すると、大幅にファイルサイズが小さくなります。

解像度ピクセル数1080p比のデータ量
1080p(フルHD)1920×1080100%
720p(HD)1280×720約44%
480p(SD)854×480約20%

3. 音声を調整する

動画の音声トラックも容量に影響します。音声が不要な場合は音声を削除することで容量を削減できます。音声を残す場合でも、ビットレートを128kbps程度に設定すれば十分な音質を保てます。

プリセット(エンコード速度)について

H.264のエンコードには「プリセット」があり、圧縮にかける時間と効率のバランスを設定できます。遅いプリセットほど同じ画質でファイルサイズが小さくなりますが、エンコード時間が大幅に増えます。

プリセット速度圧縮効率
ultrafast最速低い(ファイルが大きい)
fast速いやや低い
medium標準標準(推奨)
slow遅い高い
veryslow非常に遅い最高

※ 一般的な用途では「medium」で十分です。

よくある質問

Q. 動画圧縮で画質は劣化する?
CRFを使った圧縮では、数値を適切に設定すれば見た目の劣化はほとんどわかりません。CRF 23〜28の範囲であれば、多くの場合で許容範囲の画質が得られます。ただし、圧縮は不可逆なため、元の品質に戻すことはできません。
Q. H.264とH.265の違いは?
H.265(HEVC)はH.264の後継コーデックで、同じ画質でファイルサイズを約30〜50%削減できます。ただし、エンコード速度が遅く、一部のデバイスやブラウザで再生できない場合があります。互換性を重視する場合はH.264がおすすめです。
Q. ブラウザで動画圧縮はできる?
はい、WebAssembly版のffmpeg(ffmpeg.wasm)を使うことで、サーバーにアップロードせずにブラウザ上で動画を圧縮できます。処理速度はPCの性能に依存しますが、プライバシーを保ちながら圧縮できるのがメリットです。