住宅ローンの基礎知識|返済額の計算方法と金利タイプの違い
返済方式・金利タイプの違い、月々の返済額の計算式、繰り上げ返済の効果を解説します。
返済方式の種類
住宅ローンの返済方式には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
元利均等返済
毎月の返済額(元金+利息)が一定になる返済方法です。返済初期は利息の割合が大きく、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。返済計画が立てやすいため、住宅ローン利用者の大多数がこちらを選択しています。
元金均等返済
毎月の「元金」返済額が一定で、そこに利息が上乗せされる返済方法です。返済初期の負担は大きいですが、返済が進むほど月々の支払いが減少し、総返済額は元利均等返済より少なくなります。
金利タイプの違い
変動金利型
市場金利に応じて半年ごとに適用金利が見直されるタイプです。3つの金利タイプの中で最も金利が低い傾向があり、住宅ローン利用者の約8割が選択しています。ただし、金利上昇時には返済額が増加するリスクがあります。元利均等返済の場合、5年間は返済額が変わらない「5年ルール」や、返済額の増加幅が1.25倍までに制限される「125%ルール」が適用されます。
全期間固定金利型
借入時から完済まで金利が変わらないタイプです。代表的な商品に「フラット35」があります。返済額が確定するため長期の返済計画が立てやすい一方、変動金利と比べて金利は高くなります。
固定期間選択型
当初の一定期間(2年・5年・10年など)は金利が固定され、固定期間終了後に再度金利タイプを選択するタイプです。変動金利と全期間固定金利の中間的な性格を持ちます。
返済額の計算方法(元利均等返済)
元利均等返済における毎月の返済額は、以下の計算式で求められます。
毎月返済額 = P × r × (1 + r)n ÷ {(1 + r)n − 1}
P = 借入金額、r = 月利(年利÷12)、n = 総返済回数(年数×12)
例えば、借入額3,000万円・年利0.7%・35年返済の場合:
月利 = 0.007 ÷ 12、返済回数 = 420回
毎月返済額 = 約80,556円
金利別の返済額早見表(35年・元利均等返済)
借入額と金利の組み合わせによる毎月の返済額の目安です。
| 借入額 | 金利0.7% | 金利1.5% | 金利2.25% |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約80,556円 | 約91,855円 | 約103,271円 |
| 4,000万円 | 約107,408円 | 約122,474円 | 約137,695円 |
| 5,000万円 | 約134,260円 | 約153,092円 | 約172,118円 |
金利による総返済額の違い(3,000万円借入・35年返済)
同じ3,000万円を借りても、金利によって利息総額に大きな差が生まれます。
| 金利 | 月々返済額 | 総返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 約77,876円 | 約3,271万円 | 約271万円 |
| 0.7% | 約80,556円 | 約3,383万円 | 約383万円 |
| 1.0% | 約84,686円 | 約3,557万円 | 約557万円 |
| 1.5% | 約91,855円 | 約3,858万円 | 約858万円 |
| 2.0% | 約99,379円 | 約4,174万円 | 約1,174万円 |
| 2.25% | 約103,271円 | 約4,337万円 | 約1,337万円 |
繰り上げ返済の効果
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
期間短縮型
毎月の返済額はそのままで、返済期間を短縮する方式です。短縮された期間分の利息がまるごと削減されるため、利息軽減効果が大きくなります。完済時期を早めたい人に向いています。
返済額軽減型
返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らす方式です。期間短縮型と比べて利息軽減効果は小さいですが、毎月の家計負担を軽くしたい場合に有効です。
※繰り上げ返済は早い時期に行うほど利息軽減効果が大きくなります。ただし、手元の生活資金を十分に残した上で行いましょう。
よくある質問
変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきですか?
金利の低さを重視するなら変動金利、返済額の安定性を重視するなら固定金利が向いています。変動金利は金利上昇リスクがあるため、金利が上がっても返済に余裕がある場合に適しています。
5年ルール・125%ルールとは何ですか?
変動金利の元利均等返済で適用されるルールです。5年ルールは金利が変動しても5年間は返済額が変わらない仕組み、125%ルールは5年後の返済額変更時でも前回の1.25倍が上限となる仕組みです。ただし、未払い利息が発生する可能性があります。